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2009.11.04

JBCに見る地方競馬の暗い影

今年のダービー馬ロジユニヴァースが、ジャパンカップを目標に乗り込まれているようです。当初は今週末のアルゼンチン共和国杯も視野に入っていたようですが、さすがに当代のダービー馬がそこを使うというのは躊躇われたんでしょうか(もちろんハンデの問題もありますが)。ともあれ、ウオッカの敗戦で雰囲気が沈み気味の競馬サークルを明るくするには、やはりダービー馬が頑張ってくれないとと思う次第です。

3日は名古屋でJBCが開催されました。名古屋での開催は2回目、4年前の第5回JBC以来となります。この4年前の時は現地に参戦したのですが、物凄いごった返しようで大変だったのと馬券がさっぱり当たらなかったことを思い出します。今回はさすがに少し窓口を増やしたりなどの対処をしたらしいのですが、いかほど効果があったか気になるところです。

レースをサラリと回顧すると、まずはスプリント。フェラーリピサの除外で俄然有利な立場になったスーニが、直線で出し抜けを図ったアドマイヤスバルを差し返して勝利。3着に10歳馬のリミットレスビッドが頑張り、初ダートで注目されたビービーガルダンは3角で失速して6着でした。

スーニは距離短縮で結果を出しており、馬体も一頃に比べて良くなっていました。春先の強行軍が祟ってか状態が悪くなっていましたが、ここに来て持ち直した感があったので、納得の勝利と思います。JCダートは少し長いと思うので、来年のフェブラリー辺りが目標になるのではないでしょうか。2着アドマイヤスバルは中距離戦からの転戦でしたが、うまく乗られてあわやの競馬。この馬も力をつけましたね。ビービーガルダンは洋芝に強いのでダートもこなすかもという期待がありましたが、血統的にダートは難しいのではという下馬評もありましたから、この敗戦はやむなしという感じでしょうか。

クラシックは完全に人気3頭の三つ巴の競馬。直線で狭い内ラチ沿いを突いたヴァーミリアンが人気に応えて勝ち、8つ目のG1を手にしました。2着マコトスパルビエロ、3着ワンダースピードと人気の順に入線し、3連単で560円という固い決着でした。

スタート一息ながら積極策で前に出たマコトスパルビエロを見る形で進んだヴァーミリアン、直線は手応え十分ながら出るところがあるのか?というヒヤヒヤ感がありましたが、あの辺りは武豊騎手の巧さでしょうか。2日前の天皇賞で残念な結果になっているだけに気合が入っていたんだろうと思います。2着のマコトはプラス15キロの馬体がいかにも太かったのですが、それでもこの僅差ですから着実に力をつけている気がします。ワンダースピード、4着メイショウトウコンらも含めて、JCダートで再戦ということになりそうです。

ちなみに私の馬券のは、スプリントがスーニ1着固定勝負、クラシックはヴァーミリアンからマコトが本線、ということで両方とも馬単・3連単を取らせてもらいました。結構自信のあった天皇賞を外してガッカリしていたのですが、これで気分も懐も復活です。

JBCが今年で9回目というのには少し驚いたんですが、それ以上に「クラシックの勝ち馬は初代のレギュラーメンバーを除いてみんな複数回勝利している」という記録があるのにびっくりしました。ダートの一線級ではそれだけ実力差があるということなのかもしれませんが、それ以上に現在の出走枠のシステムに問題があることが関係していると考えます。

今年はスーニに限らず3歳勢が強そうなのですが、登録のあったトランセンドやテスタマッタは除外対象。今年のフェブラリーを勝ったサクセスブロッケンすら補欠でした。それで出走してきたのが9歳や10歳という面々ですから…、まあリミットレスビッドは気を吐きましたが(これで引退だそうです)、もう少し柔軟な対応はできないものかと感じずにはいられないです。若い力が実績のある古馬にぶつかるとなれば、もっと話題性は高くなるはずですし、当然売上にもつながると思います。

地方競馬で1年のうち最も華やぐのがこのJBCです。地方競馬が困窮状態になって久しいのですが、こういう機会をうまく活かせない運営の下手さや情熱の無さが、ファン離れを加速させている気がします。地方競馬にはもっともっと頑張ってほしいと、特に東海公営は気合が足りないと、声を大にして訴えたいと思う今日この頃です。

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