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2009.12.25

有馬記念の展開を考える

前回の更新では、思いがけず多くの方のアクセスをいただきました(通常時の約15倍)。やはり有馬記念への注目度というのは、他のどんなレースよりも勝るのだなと感じます。こんな場末のブログではありますが、そうやって訪れていただけた方に失礼のない様に心して記事を書いていきたいと思います。

そんな今日は、昨日の予告どおり展開について検討しようと思います。

最初にばっさりと断じてしまいますが、有馬記念は基本的に先行馬が圧倒的に有利なレースです。昨年はダイワスカーレットが驚異的な逃げ切り勝ちを演じ、追走した各馬がバテて追い込んだ馬が2、3着に飛び込むという極端な競馬になりましたが、本来であれば4コーナーで4~5番手以内につけられる馬が断然有利です。また、コース形状の関係から外を回すよりも内ラチ沿いを回る方が俄然楽になります。外差しの脚質の場合は、ディープインパクトのような突出した能力がない限りアタマまでは厳しいというのが傾向になります。

今回のメンバーを見渡すと、思ったよりも前に行きそうな馬が目立つ構成になりました。逃げ宣言も飛び出したリーチザクラウンをはじめ、マツリダゴッホやスリーロールスといったG1ホースや、前走で逃げを打って好走したミヤビランベリ、テイエムプリキュアあたりも先手をとりたい口でしょう。そうなると必然的に前半は早くなる…と合点したくなるところです。が、実際は気性の関係で逃げざるを得ないというリーチザクラウン以外は案外おさえの利く馬ばかりで、激しい先手争いというのは考えにくいのではないかと考えています。

恐らくハナに立つと目されるリーチザクラウンが近走で刻んだ入りの3ハロンのラップは、ジャパンカップで12.7-10.5-12.0、菊花賞で12.9-11.5-11.7。神戸新聞杯では12.6-10.8-12.1です。距離の長い菊花賞では必然的にペースが落ちますが、ジャパンカップと神戸新聞杯は大体同じ34秒台半ばということになります。ジャパンカップでは自分より内枠のアサクサキングスに競られて2ハロン目が早くなっていますが、すんなり出られればもう少し遅くなったかも知れません。今回はすぐ内にマツリダゴッホがいますがさすがにハナを主張することはないと思いますので、ミヤビランベリあたりが押して行かない限りはすんなりハナを取ってラチ沿いに入れるのではないかと思います。

リーチザクラウンが今までと同じような競馬をした場合、入りの2.5ハロンで29秒前後と近年のレースより1秒程度早いラップで入る可能性が考慮されます。しかしそれを制してハナに行こうという馬はいないという仮定で考えると、思ったよりも道中のペースは落ち着くのではないかと考えています。菊花賞の時と同様に、一時的に馬群から離れた単機逃げの形になるのではないでしょうか。そうなると、追走する2番手以下は1秒以上遅いラップを刻むことになり、近年の勝ちパターンに近いペースになります。

逃げたリーチザクラウンが残れるかどうかは折り合いひとつではありますが、リーチの逃げを見て後続が手綱を抑えてしまうと、意外なほどのスローペースになる可能性もあります。そうなると後方待機の馬はまったく出番がないかもしれません。前につけられるであろう、マツリダゴッホやスリーロールスには展開が向くのではないかと考えています。逆に後方待機パターンの馬、ドリームジャーニーやイコピコについては、どれだけうまく捌いて4コーナーで好意に取りつけるかが全てということになります。

鍵は1枠2番を引いたブエナビスタの出方だと思います。横山騎手への乗り替わりはいろいろな可能性を感じさせるので、予想が非常に難しくなりました。内のアンライバルドはお世辞にもスタートがいいタイプとは言えないので、すんなりと中段前目くらいの位置につけられるとは思いますが、問題は内ラチ沿いからスムーズに馬群を割れるか否かです。先行勢がひしめく中で内で溜めるような競馬をした場合、いざ追い出しても出るところがないというケースも考えられます。外へ出すと遅れますし、あらかじめ外を回すには先行策はとれません。恐らくいい位置をとりに行くと思うので、最後の坂下での位置取りが一番重要だと思われますが…果たしてどうなりますか。

結局モヤモヤっとした内容になってしまったのですが、結論付けるなら
・元々先行馬が有利なコースでありレースである
・前に行く馬は多そうに見えるが意外とペースは早くならないかも?
・直線入り口では馬群が凝縮しそうで、後方から外を回していたら間に合わない
・ブエナビスタはこの内枠が難題になりそう
というような感じでしょうか。

半分より内の枠で先行できる馬ということで、マツリダゴッホやミヤビランベリは前残り候補として挙げられると思います。菊花賞を先行して勝ち切ったスリーロールスも有力でしょう。リーチザクラウンは道中の息の入り方次第ですが、全幅の信頼というには…少し足らないでしょうか。ブエナビスタについてどう見るかは意見の分かれそうなところですが、この人気(前々日オッズで1番人気の3.6倍)ならコケる方に賭けたい気もしています。

前日となる明日は、各馬のローテーションや血統などの適性、および騎手のデータなどを参照してみたいと思います。

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