有馬記念、適性とローテーションの考察
有馬記念集中検討も3日目になりました。今年は突出した馬がいないということもあって、非常に難しいですね。昨日は展開を予想しましたが、有馬記念は前半が落ち着いても途中からペースアップして厳しい展開になるという側面があります。しかしそれでも前が残る傾向だったりするので、普通の論理が当てはまりにくい特殊なレースだということは確かですね…。
今回は少しアバウトな内容になりますが、各馬の適性とローテーション、そして有馬では難しいといわれる騎手の乗り替わりについてクローズアップしてみようと思います。
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順序が後先しますが、まずはローテーションを見てみます。3歳馬は菊花賞ないし天皇賞から直行した場合の方が、ジャパンカップを使った場合よりも好走しているというデータがあります。古馬は王道ローテーションで天皇賞→ジャパンカップというステップで普通に勝ち負けしてきた馬がもちろん有力なのですが、地力に劣るならジャパンカップを(意図したかどうかはともかく)スキップした方がよいという傾向があります。ちなみに前走でG1以外を使ってきた馬は非常に苦戦しており、やはりG1戦線を戦ってきた馬に分があるということのようです。
まずは大挙7頭が出走する3歳勢を確認してみます。菊花賞からの直行が3頭、ブエナビスタは牝馬でエリザベス女王杯から。間でレースを使ったのは、ジャパンカップを使ったリーチザクラウンとG1以外の重賞を使ったイコピコ、フォゲッタブル。前述の傾向に照らせば、菊花賞から直行する3頭が良いということになります。菊花賞で惨敗したアンライバルドの評価を下げるとすれば、スリーロールスとセイウンワンダーが理想的な好走ケースということになります。
古馬の方を見てみますと、王道ローテでジャパンカップを勝ち負けした馬はいません。強いて言えば5着に入ったエアシェイディくらいでしょうか。一方、好走パターンのひとつである天皇賞からの直行組がマツリダゴッホとドリームジャーニー。あとは牝馬のテイエムプリキュアがエリザベス女王杯からで、それ以外はG1以外からの参戦であるミヤビランベリとシャドウゲイトです。意外とジャパンカップで大きく負けた馬が多い構成なんですね。
一捻りしてジャパンカップからの参戦組でその前が天皇賞ではない馬をチェックしてみると、マイネルキッツが京都大賞典からのローテーションです。近年ではタップダンスシチーあたりがこのローテーションで好走しており、天皇賞をスキップするパターンも馬によっては悪くないかも知れません。
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適性については深く掘るとキリがなくなりそうなので、中山適性だけをチェックします。中山のG1で連対実績があるのが内からアンライバルド、マツリダゴッホ、ドリームジャーニー、セイウンワンダー。リンクする傾向が強い日経賞で好走実績があるのが、マイネルキッツ、マツリダゴッホ、ネヴァブション。これ以外で中山の2000m以上の重賞に勝ち鞍があるのがエアシェイディとシャドウゲイト、そしてフォゲッタブル。コスモバルクも一応該当しますがちょっと古すぎますか…。
逆に中山実績がないのは、3歳勢からブエナビスタ、リーチザクラウン、スリーロールス、イコピコ。古馬ではミヤビランベリとテイエムプリキュア。3歳馬はキャリアが浅い分実績がない馬も多いので難しいですが、ミヤビランベリは意外な感じもしますね。敢えて直線に坂のあるコースを避けているようにも見えるのが少し気になります。
最後に騎手、特に乗り替わりについて確認します。前走から騎手が乗り替わる馬は内からアンライバルド、ブエナビスタ、マイネルキッツ、イコピコ、シャドウゲイト、セイウンワンダー、フォゲッタブル。しかもシャドウゲイト以外は全てテン乗りです。折り合いが最重要視され、乗り替わりでは難しいといわれる有馬記念なのですが、半数近くが乗り替わりという状況。騎乗停止や負傷など不測の事態というケースもありますが、安易な乗り替わりはこのレースに関して言えばあまり感心できないという印象で、アンライバルドやイコピコはちょっとマイナス評価ですかね。
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データの羅列になってしまうので締め方が難しいのですが、とりあえず好走条件や実績に合致しそうな馬を抽出するとこのあたりが挙げられるということになります。
・マツリダゴッホ
・ドリームジャーニー
意外なほど少なくなってしまうのは乗り替わりが多いからに他ならないのですが、逆に言えば手の内に入れているジョッキーが跨るというのは明らかに有利ということになりますから、これらの馬に対して少し評価を上げる必要はあるでしょう。
なお、少し条件に欠ける部分があるものの、次点として挙げられそうなのは以下の馬たちです。この辺を評価するかどうかは、判断が難しいですが…。
・エアシェイディ(ローテーションが微妙)
・スリーロールス(中山は未知)
・セイウンワンダー(乗り替わりのみが課題)
明日はいよいよレース当日ということで、直前の状態をチェックした上で最終評価を決定します。
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