アナログコラム

2008.05.20

特別展「天馬」

奈良国立博物館で開催されている特別展「天馬」を見に行ってきました。コンセプトについては公式サイトの方を見ていただきたいのですが、古今東西の馬、特に翼を持つ天馬(ペガサス)に関する美術品や骨董品が集められており、馬好きの博物館好きとしては非常に楽しめる内容でした。

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この展示にはJRAが協力しており、本展示とは別にJRAのコーナー「ターフを翔ける天馬たち」もあり、テイエムオペラオーやシンボリルドルフの勝負服や蹄鉄などが展示されていました。そこには様々な種類の蹄鉄や鞭、そして普段のレースで使われる馬具なども展示されていたのですが、それについてJRAの職員であろう係員の方にいろいろと説明をしていただきました。

たとえば、騎手が被っているヘルメットは有名なヘルメットメーカーであるアライ製で、素材は内側が発泡スチロールで外側はカンガルー革なのだそうです。また、斤量を調整するための錘(おもり)は平地レースと障害レースではつけるところが違う(より馬の負担にならないように工夫されている)そうで、実際の錘も展示されていました。こういう部分は知る人ぞ知る話だとは思うのですが、普段これだけ競馬をやっていてもなかなか知り得ないことなので、興味深い内容でした。

奥のブースには勝負服を着て撮影できるコーナー(勝負服はメイショウやタニノなど3種類)や京都競馬場のミニチュア模型なども展示されており、スペースこそ狭いものの競馬ファンにはなかなか愉しみ甲斐のある展示になっていました。本展示を先に見て回った後だったので、かなりおなかいっぱい感がある状態だったのですが、まさに別腹的に見ることができました。

この特別展は6月1日までの開催になっているので、お近くの方や興味のある方は足を運んでみてはいかがでしょうか。ちなみに奈良国立博物館は奈良公園の中にありますので、周りは鹿だらけです。鹿と触れあって癒されてみるのも一興、です。

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2008.05.14

サドラーズウェルズの引退

日曜の早朝に海外から飛び込んだニュースに心を躍らせた競馬ファンも多かったと思いますが、北米に遠征しているカジノドライヴ(牡3、藤澤和雄厩舎)が当地のG2戦ピーターパンステークスを勝利しました。日本馬の海外遠征での勝利は昨年のシンガポール航空国際カップのシャドウゲイト以来になりますから、実に1年振りくらいの朗報ですね。次走は兄姉に次ぐ3連覇がかかったベルモントステークスになりますが、ここでもいいレースを期待したいところです。

私は以前から海外の競馬もわりとこまめに追っているつもりなのですが、今週ひとつ大きなニュースがありました。アイルランドで種牡馬として繋養されているサドラーズウェルズが、生殖能力の低下を理由に種牡馬を引退するとのことです。これは特に欧州の馬産界では大きな出来事として伝えられているのですが、ある意味「ひとつの時代の終焉」と言っても過言ではない大きなターニングポイントではないかと感じています。

かつて日本にもノーザンテースト、サンデーサイレンスといった大種牡馬が君臨した時代がありました。ともに日本の生産馬の血統分布を塗り替えたと言わしめるほどの影響力を発揮したわけですが、サドラーズウェルズはもしかしたらそれ以上に大きな存在だったかもしれません。英愛リーディングサイヤーに輝くこと実に14回、60頭以上のG1ホースを輩出してきた訳ですから、まさに時代の寵児であったと思います。

産駒はどちらかというと中長距離に強く、軽いスピード勝負よりも力を必要とする馬場を得意とすることが多いです。欧州の芝コースは一部の競馬場を除いてタフな馬場が多く、この特性が存分に生かされる土壌であったと言えると思います。逆に軽いスピードを要求される日本や北米では欧州ほど振るわないのですが、最近では母の父として活躍馬を多く輩出しているようにその影響が及ばないわけではありません。

長い種牡馬生活で輩出してきた産駒には後継種牡馬として活躍している馬も多く、欧州でガリレオやモンジュー、日本でもオペラハウスなどがいます。オペラハウスからはテイエムオペラオーやメイショウサムソンといった活躍馬が輩出されており、これからもサドラーズウェルズの血は広がり続けることと思います。既にリーディングサイヤーの座は明け渡しているので、日本でサンデーサイレンス亡き後に勃発したポストサンデー論争のような混乱は起き得ないかもしれませんが、一時代を築いた偉大な種牡馬として血統図には燦然と輝き続けるであろうと思います。

私は競馬はブラッドスポーツであり、血統なくして競馬は語れないと思っています。サドラーズウェルズの功績は末代まで語り継がれることでしょう。そしてその座を新しい種牡馬たちが争う。これこそが競馬を追いかける醍醐味のひとつではないでしょうか。

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2008.03.27

ドバイワールドカップデー

今年もドバイワールドカップデーが迫ってきました。海外の主要な国際競走の中では1年で最初に実施されるドバイミーティングは、本格的な競馬シーズンの幕開けを告げる一大イベントとしてすっかり定着しており、今年も日本から4頭が参戦します。昨年、一昨年と勝ち馬を出しているだけに今年も、と期待が膨らむところです。

Dubai

出走を予定している日本馬は、イイデケンシン(UAEダービー)、アドマイヤオーラ(ドバイデューティーフリー)、ウオッカ(同)、そしてヴァーミリアン(ドバイワールドカップ)。この中で私が最も期待しているのは、やはり日本馬初のワールドカップ制覇がかかるヴァーミリアンです。昨年は繰り上がっての4着も勝ち馬のInvasorには大きく離されましたが、日本国内でG1を4連勝して臨む今年は勝ちを意識しても良いのではないかと思っています。

強敵はやはり北米勢、特に前哨戦を圧勝した昨年のエクリプス賞年度代表馬・Curlinでしょう。泥んこ馬場のブリーダーズカップ・クラシックについては評価が分かれるところですし、ベルモントステークスでは牝馬のRags to Richesに敗れていることもあり、正直昨年のInvasorほどダントツに強いというイメージはなかったのですが、前走ジャガートロフィーでのパフォーマンスはその評価を改めざるを得ない内容でした。この馬に歯が立つか否かが最大のポイントでしょう。

日本馬はこれまでドバイワールドカップでは軒並み苦戦していますが、その主たる要因はナドアルシバの特徴的なダートにあるという説が一般的です。ドバイのダートは日本とは異質でパワーとスピードを要するため、日本国内のダートでのみ走っていた馬の場合は北米馬のスピードに劣ってしまう傾向にあります。

しかし芝に実績のある馬は比較的好走しており、日本馬で唯一ドバイのダートレースを勝利しているユートピア(2006年ゴドルフィンマイル)、及びワールドカップの過去最先着(2001年、2着)のトゥザヴィクトリーは、共に芝の重賞に勝ち鞍がありました。ヴァーミリアンも芝で重賞勝ちがあるので、ダート一辺倒の馬よりも少しは適性があるのではないでしょうか。

思えば第1回のライブリマウントから12年、いよいよその頂に手がかかる時が来たかもしれません。もちろん、デューティーフリー出走の2頭とイイデケンシンにも頑張ってもらいたいのですが、今回はヴァーミリアンに大きな期待を寄せたいと思っています。

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2008.03.12

なぜ専門紙を使うのか

突然ですが、私は週末のたびに競馬新聞を買います。スポーツ新聞は基本的にまったく使わず、常に専門紙です。数年前から競馬エイトを使っていますが、それ以前はホースニュース馬を愛用していました。そんな経緯から、先日のホースニュース休刊との報については少し思うところがあったので、専門紙についての思いの丈を少し書いてみます。

専門紙は確かに価格は高いです。スポーツ紙なら3部買ってお釣りがくる額です。しかしそこにはスポーツ紙にはない魅力が、少なくとも私にはあります。もちろん贔屓のトラックマンの予想を参考にしたり、詳細な調教時計のチェックをしたりできるという点もありますが、それはスポーツ紙でも可能ですし、逆にスポーツ紙のトラックマンの予想を贔屓にしている人もいるでしょうから、一概に専門紙が勝るとは言えません。

では、スポーツ紙にはない魅力とは何なのか。あくまで私個人の感覚でしかありませんが、やっぱり「競馬をしてるぞ」という雰囲気を一番感じることが出来るところです。何気なくお尻のポケットに突きさして、とかいうあのスタイルが好きなのです。スポーツ紙じゃ様にならないんですよ。それに、前日から買い込んで夜に予想したりとかいうのも朝刊のスポーツ紙では出来ない芸当です。ほんとに些細なことでなのですが、そこがスポーツ紙には鞍替えできない大きなポイントだったりします。

専門紙は一部を除いて経営が苦しくなっているそうです。スポーツ紙というライバルの存在だけでなく、ウェブ等で情報を得る「新聞レス派」が増えているそうです。確かにデータとしては必要なものが新聞無しでも手に入る時代です。専門紙というスタイルはなかなか受け入れられなくなって来ているのかもしれません。が、私は専門紙があり続ける限り買い続けたいと思っています。そこも競馬を競馬として楽しむ上で欠くことのできない部分なのですから…。

Shinbun1 Horsenews

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2008.03.10

サンアディユ急逝に思う

土曜日にオーシャンステークスに出走していたサンアディユが、栗東に戻った後の日曜日に心不全で亡くなってしまったそうです。今回はメディアでも報じられたとおり非常に後味の悪いトラブルがあった訳ですが、まさかこういうかたちで罰が当たるとは…サンアディユはまだまだこれからが期待されていた活躍馬ですから、関係者の心境たるやと思うと気の毒でなりません。

競馬というのは馬という生き物を扱う競技ですから、馬と人の信頼関係が大事なのは云うまでもありません。関係者が手塩にかけて育てた馬たちが走るレースで、あのような不手際があってはいけないと思います。売り上げ減ばかり気にしてないで、一度原点に立ち返るべきではないでしょうか。馬がいてこその競馬なのですから…JRAは今回の件を厳粛に受け止めてほしいと思います。

それにしても、サンアディユにしてもアドマイヤキッスにしてもそうですが「これから」という時に不慮の死を遂げてしまうケースが最近多い気がします。競馬はブラッドスポーツですから血がつながっていくことが大前提なわけで、活躍した馬が産駒を残すことなく世を去ってしまうのは損失以外の何ものでもありません。こういうシーンには出来るだけ出会わずに済めばいいのに、と願わずにはいられません。

20080308 アロド(3月8日阪神6R)

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2008.03.04

旅打ちの楽しさ

ここ数年来の趣味として、旅打ちというのがあります。もともと競馬が好き、だけどいつも同じところでやっているとちょっとマンネリを感じることもある。そんなきっかけで遠方の地方競馬場などに出かけていくことが時々あります。

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昨今の中央競馬の施設は競馬場もWINSも大変きれいになり、女性や子供も大勢見かけます。基本はギャンブルの場であり鉄火場であるはずですが、それを内に包含したテーマパークとして進化をしたいというJRAの意図が感じられるところです。しかし地方の競馬場は一部(南関など)を除けばまだまだ鉄火場の匂いが色濃く残っていて、それでいて素朴なところもある独特の雰囲気を醸しているところが多く存在していて、ふとそういう空気に触れたくなることがあります。経営的には決して芳しくない、閑古鳥が鳴いているようなところも少なくないのが現実ではあるのですが、そういう競馬場に少しでも貢献(?)したいという気持ちもあり、足を運んでいるという訳です。

先日何気なくグリーンチャンネルを見ていると、そんな郷愁が感じられるような番組がありました。それはアジア競馬の歩き方という番組。旅打ちを趣味とすることでファンにはおなじみの競馬ライター・須田鷹雄さんをナビゲーターとして、アジアの各地に存在する競馬場とその周辺の観光地などを紹介する番組なのですが、古き良き競馬(といっても私も所詮新参者なのですが)がそこにはあるというか、懐かしさに加えて一種の羨ましさを感じるシーンが盛りだくさんなのです。タイの競馬場など都会の中にあるのに泥臭さ満点で、かつて大阪球場跡にあったWINS難波のごとき空気がそこにはありました。

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行ったことのない競馬場の開拓はここしばらく叶っていませんが、また暖かくなったらどこかへ行きたいな、そんな気持ちにさせられる番組です。もし視聴可能であれば、一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。

うーん、次は金沢競馬場あたりを攻めてみようかな…。

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2008.02.28

逃げ馬が好きらしい

今週から開催が変わり、関西は京都から阪神に場所を移します。開幕週ということで前に行く馬が有利だろう、などと知人と会話していたのですが、その知人はどちらかというと後ろから直線一気に差してくる馬が好きなのだそうです。じゃあ自分はどのタイプの馬が好きなのだろうと考えてみたのですが、どちらかというと逃げ馬が好きらしいということに気がつきました。

競馬を始めた1994年頃に好きでよく買っていた馬として覚えているのは、エイシンワシントンです。短距離からマイルを中心に活躍した同馬ですが、同年のスプリンターズSでこの馬とサクラバクシンオーの馬連を買ったのが、G1レースで2度目に買った馬券でした(エイシンワシントンは4着)。1996年のマイルチャンピオンシップでは15番人気の低評価だったこの馬からほぼ総流しをかけ、直線に向いたところでの3馬身以上のリードを見て的中を確信、テレビの前で絶叫したものの惜しくも3着に敗れ精魂尽き果てたこともありました。特に中京の1200mを得意としており、高松宮杯がG1に昇格するのがもう少し早ければと思ったものでした。

では近年はどうだろうかと思い起こしてみると、ローエングリンがいました。この馬は3歳で宝塚記念を3着とした頃から気に入り、その軽快な逃げっぷりが好きで良く買っていました。一時期は暴走気味に逃げた挙句に最後は失速というレースが続いていたため少し見限りかけていたのですが、晩年に健脚が甦り8歳で中山記念を勝ったのは感動的でした。この時は残念ながら馬券が買えず、今でも心残りになっています。シングスピール産駒の良血馬で、社台SSで種牡馬入りできたのは非常にうれしく思っています。

今週は東西で3重賞が組まれているのですが、開幕週ということもあり先行馬に注目したいところです。昨年ローエングリンが勝った中山記念はチョウサンを、阪神のアーリントンカップは人気になるでしょうがポルトフィーノを狙ってみようと考えています。

20080228 ローエングリン(2003年天皇賞秋)
(遥々府中まで観戦に行くもこのときのローエングリンはゴーステディとやり合ってしまい13着に沈みました)

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2008.02.26

笑う騎手

競馬を予想するときにパドックを参考にする人は多いと思いますが、パドックを見るときに皆さんはどこに注目していますか?もちろん馬の状態が一番重要で、太かったり細かったり、うるさくて暴れていたり元気が無かったり、あるいは歩様やトモの張り、胸前の筋肉のつき方、頭の使い方。見るポイントはたくさんありますよね。

私の場合、馬以外にも少しだけ注目して見ているところがあります。それは騎手の表情です。

騎手は観客に愛想を振りまいたりするのが基本的にNGですから、大抵の場合は口を真一文字に結んだりしてキリッと硬い表情をしていることが多いと思います。外国人騎手の場合は少し不敵な感じの笑みを浮かべたりすることもありますが、あからさまに笑顔ということは少ないんじゃないでしょうか。

例えば地方競馬などではパドックで笑顔を見せたりすると野次の対象になってしまい「お前ワロてる場合やないやろー」と強烈な突込みが入ったりするのですが(カメラを向けると目線をくれるといわれる内田利雄騎手もそういう野次を受けることがあるようです)、最近の中央競馬ではそういう部分が少しなりを潜めてる感があって、割と和気藹々とした空気が流れているような気がします。それでもこれから勝負の場に赴く訳ですから、自ずと真剣な表情になる騎手が多いのは当たり前とは思います。

そんな中、最近妙に笑顔が目につく騎手がいます。四位騎手です。先日の京都記念のときも、ウオッカの馬上で満面の笑みを浮かべていました。単に関係者との会話で笑っただけなのかも知れませんが、それにしても一際明るく見えたのが印象的でした。

そのイメージが何となく余韻として残った状態で、グリーンチャンネルで観戦していた日曜日。同じように笑顔を見せたときがありました。京都9レースのこぶし賞。輪乗りの状況が映し出されたとき、四位騎手はやはり笑っていました。そのレースで四位騎手騎乗のミゼリコルデは6番人気の低評価を覆して3馬身差の快勝劇を見せました。最終の12レース、長期休養明けのタンティモールの馬上でも、笑顔の四位騎手がいました。結果はやはり…。

単なる偶然とか、四位騎手がいつもよく笑っているとか、そんな他愛の無い理由かも知れません。しかし、これからレースに臨む騎手が自信が無いのに無理に笑顔を作るのかな?と考えると、その笑顔の裏には自信やワクワク感があるのではないだろうか、そんな勘繰りをしたくなってしまいます。

20080226 ウオッカ(2008年京都記念)

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